黒猫とほうき

半分ほど残した朝食はどこか寂しげで

ボウルのなかでさ シリアルとともに踊りだす

 

話したはずさ、余裕な素振りをしてないで

しがみつく黒猫 辺りはもうすぐ浮かぶよ

 

ほらきらめいて

世界はもう揺らめいていくよ

そうだ、つまらなそうな顔してないで

抜け出せそうさ、行くよ

 

くだびれたそのほうきで

飛べたって変わらないんだろう

かまわないさいつもの景色が

少しだけたのしめるだろ

 

 

半分もこぼれたアイスが長い坂を駆け出して

溶けてもかまわず飛び込むソーダの海ではしゃぎだす

 

すました顔はやめてさ、プロペラにまたがって

風をつかんで走ればあたりはもうすぐ浮かぶよ

 

ほらきらめいて

世界はもう揺らめいているよ

ほらよそ見しないで

つかまらないとふり落ちそうさ

跳ねるよ

 

となりでさ転がれば

弾むはずさその心でも

楽しめるさいつもの景色が

少しだけ飛び跳ねるだろ